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菅野研は、完全長cDNAを基盤に、システム医科学の創成をめざしています。
システムとは、相互に影響を及ぼしあう多くの要素から構成されるまとまりや仕組み全体のことで、まさに、生命はシステムであるといえます。 そして、このシステムの不具合が、疾患なのです。
システムを理解するためには、a)システムを構成する要素を見出し、b)要素間の関係を明らかにし、c)その知識を利用してシステムがどう振る舞うかを予測・検証することが必要です。
そこで、生物学・医科学の分野でも、まず、システムを構成する要素(遺伝子など)を見出し、要素間の関係を明らかにするために、現在、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボローム解析などが大規模に進められています。
菅野研においても、完全長cDNAを中心に、次世代シークエンサーを活用した大規模なトランスクリプトーム解析・ゲノム解析を行っています。この様な解析で得られたデータは、システム生物学やシステム医科学の基盤となるものです。
面白いことに、大規模なトランスクリプトームやゲノム解析を通じて、思いがけず多種類のnon-codingRNAや小分子量タンパク質が生体内に存在することを、われわれは見いだました。これらのものの機能や意味は不明ですが、生体内には、いままでの標準的な生命像では、とらえきれない部分があることを推測させます。
また、次世代シークエンサーを用いた大量の臨床サンプル(主に、がんのサンプル)の解析を、多くの医学研究者と協力して進めており、実際の患者さんの病態の解明につながる基盤を整備し、システム医科学に貢献することを目指しています。
この様に、大量のデータが蓄積し、新しい知見も加わりつつありますが、システム生物学やシステム医科学は、生まれたばかりで、これから創りあげていく分野です。特に、ヒトが対象であるシステム医科学では、ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボローム等のデータ取得、データからの知識発見、システム予測と検証の各段階で問題が山積しています。

菅野研では、オリゴキャップ法を開発して完全長cDNAからトランスクリプトーム解析にアプローチしたように、独自の方法論を開発しながら、これらの問題を解決していきたいと考えています。そして、最終的には、疾患の診断や治療、あるいは予防につなげていきたいと考えているのです。